今回は、血液内科疾患に関連する染色体異常などをまとめていきます。
合わせて、特徴的な画像所見などについても触れていきたいと思います。
t(8; 14)
バーキットリンパ腫、急性リンパ性白血病 (ALL)、多発性骨髄腫
C-myc遺伝子過剰発現が生じます。
t(8; 21)
急性骨髄性白血病(AML/M2)
t(9; 22)
いわゆるフィラデルフィア染色体です。 Bcr-Abl遺伝子によるチロシンキ ナーゼ活性が発現します。予後不良因子です。
t(11; 14)
マントル細胞リンパ腫
Cyclin D1による細胞周期の 加速により細胞増殖が起こります。予後は不良です。
t(15; 17)
急性骨髄性白血病(AML/M2=APL)
レチノイン酸受容体結合蛋白が生じます。画像ではアウエル小体 (auer rods)が見られるのが特徴的です。
inv(16)
急性骨髄性白血病(AML/M4Eo)
その他にも染色体異常が関わる疾患として、 ユーイング肉腫のt(11; 22)などがあったりします。EWS転写因子によるがん遺伝子の発現に病態が由来します。
染色体異常は様々な疾患で見られるため少しややこしいですが、整理して暗記していきましょう!
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参考文献
標準病理学
坂本穆彦, 北川昌伸, 仁木利郎 編集
医学書院, 2010.8 第4版